東京都には、伊豆諸島や八丈島、小笠原諸島などの島しょ地域がありますが、私にとっては知らないことがいっぱいです。
利用したホテルに隣接していたのが、島との連絡口である『竹芝客船ターミナル』でした。このターミナル内に、伊豆諸島・小笠原諸島のアンテナショップである『東京愛らんど』があります。
JR浜松町駅からも徒歩圏内のこちらは、都会にいながら島気分が味わえて、思いのほか楽しめる場所です。
余談ですが、ホテルはインターコンチネンタル東京ベイを利用しました。新幹線とセットになるパックで偶然検索で見つけたのですが、とてもお得な料金でした。高級ホテルでも、リーズナブルになる設定日もあるのだと初めて知りました。
あれ?ここはどこ?東京都港区です
インターコンチネンタル東京ベイは、その名の通りベイサイドのとても素敵なホテルで、遠くにお台場やレインボーブリッジが部屋から見えて、『あぁ東京だな~』と気分が上がりました。

本当は、ホテルを予約した時点ではリバービューの客室でした。しかし、当日、空きがあったらしく、レインボーブリッジビューの客室にグレードアップして下さり、この景色を見ることができました。とてもありがたかったです。
せっかくのベイサイドなので、散歩がてら夕食ができるお店を探してぶらぶらしていると、たどり着いたのが竹芝客船ターミナルでした。
ゆりかもめの竹芝駅の近くで、平日の夜8時ごろだったのですが、島への発着船ロビーには利用客がけっこう多くてびっくりしました。それも若い方がたくさん。
発着案内板には見慣れない島の名前が表示され、なんだかゆるい空気が漂っているし、自分たちが大都会にいることを忘れてしまう感覚です。
このロビーに、アンテナショップの『東京愛らんど』があるのですが、私たちが利用した時間帯は空いていました。お土産や特産品がある物販コーナーとカフェが併設されていて、どちらもちょうど半々のスペースです。
カフェの奥にある壁には、大きな島の地図が掲示してあったり、島の写真や情報などが満載でした。
普段はあまり馴染みのない島情報が新鮮で、とても楽しかったです。島のことで頭がいっぱいになりました。
どれも食べたい島メニュー
カフェは、ファストフード店のような注文スタイルですが、お料理は座席まで持ってきて下さいます。
珍しい食材のメニューがいっぱいで、それがどんな食材なのか、いったいどんな味なのか、表記を見ただけでは理解ができないのですが、どれも気になってとても迷いました。
ムロアジメンチとか、メダイフライとか、トビウオのすり身揚げとか、明日葉うどんとか、ひんぎゃの塩とか、ムロ節とか、大島椿油とか…。

迷いに迷って、今回はその中から3品を選びました。『ムロ節と地のりのシーザーサラダ』、『明日葉うどんの冷製ジェノヴェーゼ』、『地のりとアサリのスパゲッティ大島椿油仕立て』です。
こちらは、『ムロ節と地のりのシーザーサラダ』です。

ムロ節とは、アジの一種であるムロアジの節で、多くは中部地方でうどんの出汁として使われているそうです。かつおの削りぶしのように、薄くてヒラヒラしたものを想像していたのですが、ほぐした身がサラダに乗っていました。美味しかったです。
次に、『明日葉うどんの冷製ジェノヴェーゼ』です。

明日葉うどんは平麺タイプです。明日葉の味をよく知らないのですが、食べにくいということもなく、バジルソースが美味しいおしゃれなパスタといった感じでした。これも美味しかったです。
そして、『地のりとアサリのスパゲッティ大島椿油仕立て』です。こちらもとても美味しかったです。

地のりは、そのままふりかけのように使える乾燥のりなので、味の予想はできます。初めて食べるのが大島椿油です。
少し調べてみますと、椿油は、椿の種からわずかしか搾り取れないのだそうです。オレイン酸が豊富で、加熱にも強いため天ぷらにも適し、江戸時代から食用に使われているとか。伊豆大島が大島椿油の発祥地のようです。
椿油が良いというのは、シャンプーや化粧品などでは知っていましたが、食用は初めてでした。全く癖がなく、アサリと地のりの磯の風味とよく合っていて美味しかったです。
なお、メニューは季節によって変わるようです。朝は9時から営業していて、モーニングメニューもあり、平日はランチメニューもあります。
雰囲気は簡易なカフェという感じなのですが、稀少な大島椿油なども使われていて、お料理のクオリティはとても高いなと感じました。大満足の食事となりました。
まるで島旅行!お土産に夢中
どうしても見てしまう物販コーナー。チラッと見るつもりが、珍しいものが多すぎて、すみからすみまで夢中になって見てしまいました。
先ほど食べて気に入った、地のりを購入。このままで食べられるので便利そうです。

明日葉を使った商品がたくさんあって、その中から選んだのは『あしたば飴』。100%純粋な明日葉粉末から作られていると、裏面に表記がありました。

明日葉は、「今日摘んでも明日には芽が出る」と言われるほど成長が速く、栄養価が高いことでも知られていますが、周囲であまり見かけることがありません。
伊豆諸島では古くから自生していているため、スーパーでも売られていて、椿油で揚げた明日葉の天ぷらは伊豆大島の名物料理だそうです。明日葉の生産高は、その伊豆大島が属する東京都が全国で1位ですが、日持ちがせず、葉や茎を切るとカルコンという黄色のネバネバしたものが出てくるため、遠方への出荷が難しいのだそうです。
明日葉の栄養価が注目されるのは、このカルコンが、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種であるからのようです。新聞で読んだことがあります。
塩の種類もたくさんありました。写真は、小笠原の『島塩』と、カフェのメニューでも使われていた『ひんぎゃの塩』。

『ひんぎゃの塩』は青ヶ島の塩です。ひんぎゃの語源は『火の際(ひのきわ)』で、水蒸気が噴出する穴を差す島言葉だそうです。火山の地熱蒸気だけを使って作られた塩で、この製塩法は世界でもまれであるということが、商品の裏面に記載されていました。
一方、小笠原父島の『島塩』は、世界にも誇れるほどの透明度の高い小笠原の海水を、登り窯で煮詰めたということが記載されていました。
どの塩も、それぞれが魅力的な説明文なので迷いましたが、少量パックからそろっているので、色々試したい場合にはとてもありがたいです。
こちらは、『八丈島限定チョコレート』。「あしたば味」と「塩味」です。

他にも、大島椿油を使った化粧品が置いてあったり、海産物コーナーには『くさや』がありました。明日葉を使った加工スイーツもたくさんあり、お土産に買って帰りたかったのですが、島に行ったわけでもないのに、これを東京みやげとして人にあげると「どこに行ってきたの?」となってしまうので、今回は自分用のお土産だけにとどめました。
あ、やっぱり都会だった
お土産がたくさん入った袋を下げて、まるで島旅行をしてきたかのような満足感でお店をあとにして、再びベイサイドを歩いてホテルへ戻っていると、カメラで何かを撮っている人を発見しました。周囲には2~3人が集まっています。
何が見えるのだろうと近くまで行ってみると、都会のビルとビルでひしめき合うわずかな隙間から東京タワーが見えました。これを見ると、やっぱりここは東京なんだなと実感します。

夜景に浮かぶレインボーブリッジと東京タワーが見える場所で、ゆったりとした島気分まで味わえて、とても不思議で贅沢な時間を過ごすことができました。
東京愛らんど(TOKYO ISLANDS CAFE)【店舗情報】
- 住所:東京都港区海岸1-12-2 竹芝客船ターミナル内
- TEL:03-5472-6559
- 営業時間:9:00 ~ 22:30(大型船の出航便によっては23時まで)
- 定休日:年中無休