豆乳ヨーグルトを自分で作りたい!種菌も植物性のもので作りたい!と思い、何度か挑戦してみたものの、本当にこれで大丈夫なのかな…と、自家製のヨーグルトに自信が持てません。そんな時にちょうど目にしたのが、豆乳ヨーグルト手作り教室でした。
色んなものを試したけれど…
今までに試したものとしては、まず、15年ほど食べ続けていた自家製のカスピ海ヨーグルトを、牛乳ではなく豆乳で作ってみる方法です。
何度か作ってみましたが、カスピ海ヨーグルトは豆乳100%ではうまくできませんでした。牛乳とブレンドすれば固まりましたが、それは私の希望には添いません。自分の作り方に問題があるのかと思ったこともありましたが、いわばヨーグルトのプロであるヨーグルトメーカーを販売しているタニカさんのホームページにも、「豆乳だけではできない」という実験結果が出ていたので、カスピ海ヨーグルトの種菌は諦めることにしました。
次に、「豆乳グルグルヨーグルト(TGGヨーグルト)」です。
これは、無農薬玄米に豆乳を入れるだけでできるというヨーグルトですが、知った当初は本当に驚きました。玄米がヨーグルトの種菌になるのか、本当にヨーグルトができるのかなど、とにかく疑問だらけでしたが作ってみることにしました。すると、確かにヨーグルトができました。しかし、玄米のつぶつぶが気になるのと、本当にこれで問題ないのかと疑心暗鬼で、一度作ったきりでした。
さらに、リジュベラックから作る方法を試しました。
リジュベラックとは『発酵液』の総称で、発芽させた穀物を水に浸し、1~2日間放置することでできる発酵した液体です。ビタミンや酵母菌、乳酸菌が豊富だそうで、美容や健康のために飲用している方も多くいるそうです。私は発芽玄米から作って、それを豆乳ヨーグルトの種菌にしました。
また、このリジュベラックに砂糖と塩を入れたものを種菌にして作ったこともありました。どちらのリジュベラックでも、確かに豆乳ヨーグルトはできました。
このヨーグルトを1週間ほど食べ続けていた時に、京都の『こうそカフェ85』というお店のホームページで、『玄米乳酸菌と豆乳ヨーグルト手作り教室』というのがあることを知りました。
《参考こうそカフェ85のHP》
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プロに教わる豆乳ヨーグルト
教室の開催日や時間は月によって変わりますが、お店のホームページに記載されています。予約もそちらからできます。
もし、ホームページ上でうまく予約画面が表示されない時は、電話でも受け付けて下さいます。実際に、私がこの状況だったため、電話で問い合わせてみたのですが、システムエラーが起こることがあるようです。
さて、講座ですが、各日の定員は4名で、開催時間によってランチ、またはスイーツやディナーが付きます。
乳酸菌セミナーがあり、作った乳酸菌1リットルと、豆乳ヨーグルト300mlを持ち帰ることができます。2時間30分の講座で4860円です。
会場である『こうそカフェ85』さんは、発酵食品を中心とした酵素料理を扱っていて、教えて下さるのはお店の奥様です。酵素栄養学認定講師でもいらっしゃるので、酵素のこと、発酵のこと、腸内環境のことなどの専門的なお話を分かりやすく教えて下さいます。少人数制なので、質問などもしやすい環境でした。
また、終了後は参加者と奥様を交えてランチを頂きながら、食べ物や健康についての情報交換などもできて、知識や気づきを多く得られた有意義で楽しい時間となりました。
まずは乳酸菌作りから
最初に、お店のメニューにもある豆乳ヨーグルトを試食させてもらえました。ラカンカなどで作られた甘いシロップがかかっていたこともあり、ヨーグルトというよりレアチーズのような濃厚なスイーツという感じで、とても美味しかったです。
豆乳ヨーグルトを作るには、種菌となる乳酸菌が必要になるのですが、まずはその種菌作りからスタートです。講座では、玄米から乳酸菌を起こして作る方法を教えてもらいました。玄米乳酸菌液というそうです。
これは、私が以前に家で作った、豆乳グルグルヨーグルトとリジュベラックを合わせたようなものでした。玄米のぬかには乳酸菌が含まれているため、玄米でヨーグルトが作れるということだったのだと分かりました。よく考えれば、ぬか漬けも米ぬかで発酵しますものね。
また、別の『発酵についての講演会』に参加した時に知ったことですが、乳酸発酵する(すっぱくする)と雑菌が入りにくくなるそうです。
玄米乳酸菌液は、玄米と、砂糖と塩と水で作ります。
砂糖は発酵を促し、塩は殺菌作用があるそうです。講座では、無農薬玄米と、沖縄の黒糖と、海外の塩と、染井の水(梨木神社の湧き水)で作らせてもらえました。
作った玄米乳酸液は1リットル分なのですが、家に持ち帰ることができます。家では、常温に置いて、毎日1回、空気を抜いてスノードームのように中身をまぜます。何日かすると炭酸が発生してきます。
写真は、家の材料を使って自分で作ってみたものです。砂糖の種類によって色が違います。黒糖を使えば黒っぽくなりますが、てんさい糖を使うと色が薄いです。玄米も砂糖も塩も、使う素材や産地によっても味が変わってくるそうです。
3~7日ほどで完成です。だんだんと濁ってきます。味見をしてみると、酸味と塩のしょっぱさがあり、リンゴのようなフルーツティーな香りがしたら成功だそうです。炭酸のような刺激もありました。
お店では、すでに出来上がったものを味見させてもらえたので、ここでしっかりと成功の味を記憶しておきます。phでいうと、3.8~3.5の酸性だそうです。

黒糖を使うと、茶色っぽい乳酸菌液に仕上がります。

お店から持ち帰った時の容器は、炭酸用の丈夫なペットボトルだったのですが、日を追うと、強い発酵力によりペットボトルが膨らんで変形しました。
真夏は、冷蔵庫に入れた方がいいのかなと心配になり、店員さんに相談したところ、入れなくても大丈夫と言われました。たとえ冷蔵庫に入れても同じようになるそうです。また、1日に1回の空気抜きを、2回にしたりしているとも教えてくれました。
毎日、乳酸菌を観察していると愛着が湧いてくるのですが、もし何か心配なことがあっても、アフターサービスと言いますか、すぐに相談できる方がいると思うと心強いです。その点でも、実際に講座に参加して良かったなと思いました。
待望の豆乳ヨーグルトを作る
いよいよ豆乳ヨーグルトを作ります。
教えてもらった乳酸菌を使うので、豆乳ヨーグルトを作るのは簡単です。作りたい量の豆乳に対して、10%の乳酸菌液を入れるだけです。
私は、ずっと有機豆乳を使っていましたが、講座では『のむ大豆』を教えて下さいました。『のむ大豆』で作ると、濃厚で美味しいヨーグルトになります。有機豆乳は、あっさりめのヨーグルトができます。
常温で5時間~10時間置いて、固まってきたらこまめに見ます。冬場はなかなか固まらないので、私はヨーグルトメーカーを使います。40度で7~10時間ぐらいにセットしています。冷蔵庫に入れて冷やすと、なめらかになってより美味しいです。
講座では、300ml分のヨーグルトを持って帰ることができるので、カスピ海ヨーグルトなどの自家製のヨーグルトと同じように、これを種菌として作り続けることが可能です。
おいしい食べ方
一人当たりの食べる量ですが、1日300gぐらいと教えてもらいました。
大根おろしとはちみつを入れると美味しいと教えてもらったので試してみましたが、予想外に美味しかったです。大根の味は全くせず、はちみつの甘さに大根おろしのシャリシャリとした食感だけが残って、新しいデザートという感じでした。私はマヌカハニーを入れました。

黒すりごま、きな粉、亜麻仁油、クコの実やドライブルーベリーを入れたり、甘味が欲しい時には自家製の甘麹(あまこうじ)を入れたりしています。ヨーグルトは、わりと何を入れても食べられるのが良いですね。
ヨーグルトに限りませんが、自家製のものは自己責任になりますので、少しでもおかしいなと思ったら、もったいないですが、思い切って捨てた方がいいですね。
また、市販のヨーグルトでも、人によって合う合わないもありますので、しっかりと情報を集めて、自分の体調を見ながらおいしく頂きたいですね。
今回参加した講座で乳酸菌のことを教えてもらって、とても興味がわきました。動物性と植物性の乳酸菌がどうのように違うのかが気になって自分でも調べてみたので、忘れないように書いておきます。
《こちらは、私が偶然手に取った本なのですが、手書き風の挿絵が可愛らしく、漫画もあってとても読みやすかったです》
乳酸菌は人によってさまざま
人間の腸内細菌は100~100億種類あるとも言われていて、その腸内細菌は人によって違うため、どの乳酸菌が自分に合うかは、実際に食べてみないと分かりません。一度食べればそのままずっと腸内に定着するというものでもありません。ヨーグルトであれば、毎日100g以上を2週間続けてみて、自分との相性をみる必要があるそうです。
また、今回の玄米と豆乳で作った植物性乳酸菌と、牛乳から作られた動物性乳酸菌のヨーグルトはどう違うのかということです。
植物性の乳酸菌は、菌の種類が多く、微生物と共存できます。また、胃酸や塩分に強いため、生きたまま腸に届きやすいです。
動物性の乳酸菌は、植物性に比べると菌の種類が少なく、単独で生きるため微生物とも共存できません。また、胃酸に弱く、生きたまま腸に届きません。しかし、腸内を刺激する作用があるため、免疫力や整腸作用を高める働きがあるようです。
『腸は第二の脳』とも言われていて、近年では腸内環境を良くすることが健康へとつながることが分かってきました。腸内環境を良くするには善玉菌の働きが重要です。乳酸菌は善玉菌の代表ともいえるので、自分に合ったものを、毎日の食事にバランスよく、かつ継続的に取り入れたいですね。
講座では、腸内環境が良い状態というのは一体どのような状態なのかなど、とても細かく丁寧に教えて下さったので分かりやすかったです。日常の食事にも、とても参考になりました。
《参考文献》
こうそカフェ85、乳酸菌セミナー資料
髙畑宗明(2016)『自分史上最高の腸になる!腸で酵素をつくる習慣』朝日新聞出版