「好きな色」と「似合う色」は違う。よく耳にする言葉です。
誰しも、服やメイクを選ぶ時に気にかかる「好きな色」と「似合う色」。自分にはどんな色が似合うのだろう…。知っていればもう少しうまく選べるのでは…。
私はずっとそう思っていて、パーソナルカラーというものに興味はあったものの、時間や場所が合わず、なかなか実際には触れる機会がありませんでした。
過去に1度だけ、近くのカルチャーセンターで講座を見つけて、説明会に参加したものの、結局は人数が集まらず開講には至りませんでした。それから数年後、別のカルチャーセンターで全2回の講座があり、念願かなってようやく参加することができました。
個人診断ではなく、合同で行う簡単なものではありましたが、パーソナルカラー入門としてはとても勉強になり、楽しい時間でした。
「服」と「メイク」の全2回講座
私が参加したパーソナルカラー講座は、2週にわたっての全2回で、1回目が身に着けるパーソナルカラー、2回目がメイクのパーソナルカラーの講座でした。
参加者は、私を含めて3人。
「もっと明るい服を着たら?」と母に言われるが何を着たらいいか分からないとおっしゃる50代の主婦の方。
以前からもあまりメイクをしなかったが、子供が小さく化粧をする暇がなくなり、化粧の仕方が分からないとおっしゃる20代の主婦の方。
そして、パーソナルカラーというものに興味がある私という構成でした。
正直に言うと、私はパーソナルカラーの診断をしてもらいたいというのが一番の目的で、メイク講座にはそれほど重きをおいていませんでした。ところが、実際にはメイク講座もとても役に立ち、ファンデーションの色を買い替えるということに繋がりました。
「色」を見て得られたもの・1回目
今では、インターネットでパーソナルカラーの自己診断ができるサイトもあるので、自分の「色のタイプ」というものを簡単に知ることができますが、もう少し詳しく個人的なアドバイスを受けたいところです。
講座では、ドレープという色の布を当てて顔映りの違いを見るのですが、先生が一人一人順番に診断してくれます。
自然光がよく入る場所にイスと鏡を配置して診断するのですが、待っている2人は、先生の後方から鏡越しで見ます。個別診断ではありますが、複数人の合同なので、診断に使うドレープは一人3色までと決められていました。ドレープの色は自分で選ぶことができました。
最初は全然違いが分かりませんが、先生の説明を聞きながら集中して見ると、確かに同じ系統の色でも、その濃淡によって顔色が明るく見える色、くすんで見える色の違いが分かってくるのです。
自分だけでなく、他人のパーソナルカラーを見たほうが客観的に色に集中することができました。
この診断結果から、自分がどの「タイプ」に属するのかが分かります。パーソナルカラーには、イエローベースとブルーベースという2つの軸に、フォーシーズン(春夏秋冬)の色分けがあります。
偶然にも、私たち3人は全員同じ「ブルーベース」の「サマータイプ」という結果でした。
その後、タイプ別の解説をしてくれるのですが、私たち全員が同じタイプだったので、「似合う色」をとても細かく教えて下さいました。少人数だったこともあるので、もともと自分の好きな色と、診断結果の「似合う色」が合致していたか、また、自分が似合わないと思ってた色は、結果からすると妥当だったかなどを一人ずつ意見交換することもできました。
また、私の「タイプ」では似合わないとされるビビットカラーについても、「大好きな色だから着たい」ということを伝えると、着こなしの方法を教えて下さいました。
今後の服選びに参考になったのは、同じ色(たとえば赤)でも、青みを帯びた赤か、黄みを帯びた赤かを見分けることによって、自分に「似合う色」になるということでした。
誰にでも万能色だと思っていた白や黒も、「サマータイプ」は真っ白だと似合わないがオフホワイトは似合うということや、実は黒は似合わない色だったということも初めて知りました。
ここでいう「似合う色」というのは、肌がよりキレイに見えて、印象にも変化をもたらすということです。感覚で選ぶだけではなく、真剣に色に向き合い、色を見極めることがおしゃれ上手への道なんだなと思いました。

「色」を見て得られたもの・2回目
翌週、今度はメイクのパーソナルカラー講座です。
前回に似合う服の色を学んだので、皆さん意識して「サマータイプ」に似合うパステルカラーの服を着ての受講でした。季節が冬だったこともあり、どうしても黒い色合いの服装になりがちでしたが、パステルカラーを着た他のお二人を見ると、確かに前回とは印象が違って見えました。教室の中も、とても柔らかい雰囲気です。
メイク講座は、スッピンから始めます。自分のメイク道具も持参しますが、先生が、広い机いっぱいにご自分の化粧品を並べて下さり、好きな物を使っての講義です。今まで使ったことのないタイプの化粧品を使えたので楽しかったです。
ファンデーションの色はもちろん、使いやすいタイプのもの、メイクのコツなど、一つ一つ丁寧に教えて下さいました。
そして、自分が持参した化粧品の色味もチェックして下さったので、今後に買うべき色などがよく分かりました。講座終了後、すぐにコスメ売り場に走ったほどです。
中でも、特に参考になったのはファンデーションの色です。
一般的に、標準色の「ナチュラル」、明るい肌の「ライト」などと分類され、私も店頭で美容部員の方に色を見てもらって「ライト」の部類を使っていました。ずっと問題なく使っていたのですが、黄味がやや気になった時期がありました。
パーソナルカラーの「サマータイプ」は「ブルーベース」なので、ファンデーションは黄色系ではなく、ピンク系が似合う色だと教えて頂きました。それまで、ピンク系のファンデーションは色白の方が使う物だと思っていて、私は特に色白というわけではないので驚きました。
私が使っているファンデーションは、オーガニックコスメの『24hコスメ』なのですが、自分の手持ちのファンデーションが黄色系だということが分かり、色味に少しの違和感も抱いていたため、ピンク系へ変更することにしました。
結果、ピンク系のほうが確かにしっくりときたので、メイクのパーソナルカラー講座もとても役に立ちました。
「色」を見るカードゲーム
服とメイクの講義以外に、カードゲームを用いて色を見る練習をしました。
服、バッグ、靴、小物という、ファッション用品の写真が貼ってあるカードを机いっぱいに広げて、それぞれがイエローベースかブルーベースなのかを見分けて分類していきます。3人で相談しながらするのですが、普段「赤」だ、「青」だと何気なく見ている服やバッグも、これだけまとめてみると、同じ「赤」でも色味が違うことがよく分かります。
中には難しくて判断できない物もあったのですが、頭を使いながら色をじっくり見極めていくこのゲームはとても楽しかったです。
1度体験しただけですが、講座が終了したあとに、今まで何気なく見ていた街中や家の中にある色も、視点が変わって見えました。毎日継続すると、色を見極めるチカラがつくのだろうなと思いました。
全2回のパーソナルカラー講座でしたが、自分に似合う色だけでなく、世の中にある色の見方までも変わってしまうぐらいの、とても価値のある講座でした。
一緒に参加した他の2名は、明るい色の服を着て、教わった似合う色のメイクが完成した時、最初にお会いした時とは別人のようにお綺麗になっていました。
先生も、「是非、今からお母様とお会いになってください」と、最初の自己紹介で『母からもっと明るい服を着たら?と言われる』という主婦の方におっしゃっていたほどです。
人の印象は、最初の数秒単位という短い時間で決まり、第一印象は視覚からの情報が大きな割合を占めるとも言われています。自分に似合う色を知ることで、自分の気分が上がるだけではなく、他人にも好印象となればなお嬉しいものですね。