*こちらの記事は、以前、阪急梅田駅にあった『ルートカフェ』で開催されたワークショップに参加した時の内容です*
ルートカフェは閉店してしまったのですが、色々なワークショップがワンコインで開催されていて、気軽に参加できたのでとても残念です。
私が参加したのは、紀伊國屋書店と旭松食品が主催のセミナーで『スーパー食材「こうや豆腐」の知っているようで知らない魅力』というものです。
旭松食品さんと言えばこうや豆腐で有名ですが、こうや豆腐と紀伊國屋書店さんの繋がりがよく分かりませんでした。
どうやら、旭松食品さんが協力したレシピ本が発売になり、その時に、紀伊國屋書店の梅田本店に特設コーナーがあったようです。
《こちらの本のようです》
本の出版に合わせて、旭松食品の商品である粉末状のこうや豆腐「新あさひ粉豆腐」を同時販売していたとのことでした。
こうや豆腐の消費量は関西がトップ
こうや豆腐は、高たんぱく低カロリーというのが個人的なイメージです。
我が家では常備していて、料理の一品で困ったら「こうや豆腐を使おう」と、とても重宝しています。
今回のセミナーは、『知っているようで知らない魅力』というテーマで、こうや豆腐を製造している旭松食品の方が講義をして下さいました。
内容は、こうや豆腐のルーツや、地域によって名称が異なること、製造方法や栄養成分、旭松食品の商品の特徴、さらには、最新の研究情報などでした。
こうや豆腐は栄養価が高そうだなと漠然と思っていたのですが、こうして栄養成分に注目してみると、人間の身体に必要な栄養素がとてもバランスよく含まれている食品だということがよく分かりました。
他にも、こうや豆腐は約1ヶ月もかかって製造されることや、消費量に地域差があることが特に驚きました。
関西が全国で一番こうや豆腐を食べている地域なのだそうです。
セミナーでは、都道府県別でどれほどこうや豆腐を購入しているかというデータも紹介して下さるのですが、関西では全国平均を大幅に超えている地域が多くて、とても興味深いデータでした。
そちらのデータによると、トップは『高野豆腐』という呼び名からも連想される通り、高野山がある和歌山県だったのですが、『高野豆腐』という表記の呼び名は関西圏が中心で、品質表示基準で決められた正式な食品名は「凍り(こおり)豆腐」、「こうや豆腐」、「しみ豆腐」なのだそうです。
企業と大学教授の2つの視点
セミナーでは、旭松食品の商品の特性や、社内独自の調査結果を教えて下さったのですが、社員の方が毎日こうや豆腐を食べ続けた結果…という調査が興味深く、分かりやすかったです。
旭松食品さんのホームページでも見ることができるのですが、こうや豆腐の栄養素の半分は植物性のたんぱく質で、そのうちの3割がレジスタントタンパクと呼ばれるコレステロールの上昇抑制が期待されるものだと最近分かってきたのだそうです。
そして、このレジスタントタンパクは、こうや豆腐が出来上がる約1ヶ月間という長い製造過程において生じるものだとも分かったそうです。こうや豆腐以外には、酒粕や、そばの実にも含まれていると聞いたことがあります。
その他の成分として、必須脂肪酸を含んだ良質の脂質、鉄分、マグネシウム、亜鉛、リン、食物繊維、ビタミンE、カルシウムなどが含まれ、それでいて糖質がとても少ないという、スーパー食材なのだと教えていただきました。
普段、私はこうや豆腐を自然食品のお店で買うのですが、重曹が使われていないものを選ぶことが多いです。
旭松食品さんの従来のこうや豆腐には重曹が使われていたのですが、今は、重曹を使用していない新製法でのこうや豆腐が販売されているとセミナーで初めて知りました。
こうや豆腐をやわらかくするためには重曹が必要なのですが、重曹は炭酸水素ナトリウムというものなので、どうしても塩分を多く含んでしまいます。
それが、新製法では重曹から炭酸カリウムに変えたことによって、従来品からナトリウムを95%もカットすることができ、さらには、塩分排出効果が期待されるカリウムを多く含む商品へと生まれ変わったのだそうです。これは、約40年ぶりの製法の見直しだったようです。
先日、テレビでも見ましたが、日本人の1日あたりの食塩摂取量の基準は、成人男性で8.0g、成人女性で7.0gのところ、実際に摂取している平均値は基準値から2~3gほどオーバーしているのだそうです。
また、こうや豆腐といえば湯戻しをするひと手間が必要でしたが、その必要もなく、セミナーでは、電子レンジで簡単に調理できる方法も実際に見せて下さいました。
レンジで作る方法は、こうや豆腐の商品によってはパッケージの裏面にも記載されているのですが、わずか数分で簡単に出来上がっていました。残念ながら、我が家には電子レンジがないので実際に試してはいません…。
セミナーの最後には、大学教授の方がこうや豆腐の魅力を教えて下さいました。
お話して下さったのは、大阪国際大学の人間健康科学科の先生で、こうや豆腐は、たんぱく質を摂取する点において金銭的にもとてもお得で、アスリートの食事にも適しているとおっしゃっていました。
企業サイドだけではなく、別の立場の方からの意見も聞くことができて良かったです。より、こうや豆腐が魅力的に感じました。
大阪国際大学は、旭松食品さんとコラボしているプロジェクトが色々とあるようで、この日は、こうや豆腐を使ったクランチチョコを試食として用意して下さいました。
こちらのクランチチョコは、学生がゼミで考案したアスリートサポートの食品で、『材料たった3つ!サクサクッ高野豆腐クランチチョコ~アレルギーのあるアスリートのための補食~』というものだそうです。さらには、「第2回食物アレルギー対応食 料理コンテスト」で、審査員特別賞を受賞した作品なのだそうです。
大学情報を発信している『大学プレスセンター』のホームページによると、材料には細切りのこうや豆腐とダークチョコレートが使われていて、小麦、乳、卵、上白糖を使用せずに作られているようです。
試食で頂きましたが、味は、チョコ、抹茶、レモンの3種類が入っていました。

使われているこうや豆腐の種類は、150分の1という細切りタイプで、ちらし寿司などに入ってるものです。全く違和感もなく、一般的なクランチチョコと同じで美味しかったです。
お土産いっぱいでビックリ!
クランチチョコをはじめ、セミナーでは他にもたくさんのお土産をいただいたのでびっくりしました。
あらかじめテーブルには、当日のセミナー資料のほかに旭松食品の通信販売カタログや手のひらサイズのこうや豆腐のレシピなど、たくさんの情報が用意されていたのですが、その中には、実際の商品であるこうや豆腐も一人一人にありました。
先程のクランチチョコは、細切りタイプのこうや豆腐が使われていましたが、こうや豆腐を粉末にした「粉豆腐」という商品を使ったものも頂きました。
こちらは、旭松食品の社員の方が作って用意して下さったという『粉豆腐の炒り煮』です。おから(卯の花)のような見た目ですが、味はこうや豆腐でとても美味しかったです。

こちらは、『高野のま~るまるクッキー』というもので、大阪の住吉区にある「ケーキ工房フローレンス」さんの商品です。

卵のかわりにこうや豆腐の粉を使っているのだそうです。サクサクとしたクッキーで、バターの風味がしっかりとして、素朴ながらもとても美味しかったです。
私は、こうや豆腐をおろし金で粉末状にしてハンバーグなどを作ったことがありますが、このような「粉豆腐」という粉末状の商品があったことを初めて知りました。
今まで気づきませんでしたが、近所のスーパーにもありました。これだと便利そうですね。

長寿日本一である長野県では、こうや豆腐とともに粉豆腐も一般的に食されていて、旭松食品では、新製法にて全国発売される運びとなったようです。
今回のセミナーに参加して、知っているようで知らない魅力をいっぱい教えていただき、こうや豆腐をどんどん活用していきたいなと思いました。
旭松食品さんのホームページには、こうや豆腐のレシピがたくさん掲載されているので色々と挑戦してみたいです。特に、粉豆腐を使ったスイーツに興味があります。
とてもとても有意義な時間となりました。