米粉100%のパンが作りたい。
そう思ったのは、数年前に、通信講座の「ナチュラルフード講座」を勉強したことがきっかけでした。
何度か挑戦したものの、当時は米粉100%で作ることは難しく、うまくできませんでした。
もう諦めていたのですが、この度、大阪の上本町にある自然食品店『キャロット』で、「米粉講座」というものがあると知り、参加したところ、家でも簡単に作れる方法を学ぶことができました。
《参考「キャロット」公式サイト》
ポイントは米粉の種類
教えて下さったのは、農産物の商品開発や販売を手掛けている『谷町空庭』の代表の方で、私が参加した時は、米粉パンの発酵までを実演で見せてくれました。
この日に使用したのは、「土佐れいほくの ふっくら米粉」という商品で、パッケージの裏には、米粉パンの作り方が載っています。
米粉100%のパンを作るには、米粉の種類がとても重要で、米粉なら何でもできるということではないそうです。
パンがふくらむためには、粒子の細かいタイプが良く、気流粉砕機で挽いているもの(デンプンの損傷度が低いもの)が一番適しているそうなのですが、一般的に、商品パッケージには製粉機の情報が載っていないため、米粉の細かさがどの程度なのかが分かりにくいとおっしゃっていました。
「土佐れいほくの ふっくら米粉」は、米粉パンを作るために開発された商品で、アルファ化(熱を加えた状態)のお米の粉末が入っているので、簡単に作れるのだそうです。

《楽天などでも買えます》
裏面のレシピに沿って実演し、作る時のポイントを教えてくださいました。
従来の小麦粉で作るパンと大きく違うのは、手でこねることができないほど生地がゆるいことです。

写真にあるような、ヘラからとろりと流れ落ちるくらいがベストな状態で、とにかく生地をめちゃくちゃ混ぜることがポイントだそうです。3~4分は必須で、フードプロセッサーを使ってもよく、どれだけ混ぜてもOKだとおっしゃっていました。
ここでの混ぜ具合が、パンのふくらみに関係するのだそうです。
使用する油は何でも良いそうですが、オリーブオイルを使うとフォカッチャのようなギトギト感が出るようです。この時は、太白胡麻油でした。太白胡麻油は、パン屋さんも使用しているものだそうです。
《このような商品です》
混ぜ終えた生地を、パウンドケーキ型の半分程度まで入れて発酵します。この日は、熱湯を注いだ発泡スチロールに入れて発酵させていました。
実際には40℃で30分ほど発酵させるのですが、講座ではすでに発酵が終わった状態のものを見せて下さいました。

発酵のポイントは、2倍弱までふくらめば良く、「そんなにふくらんでないけど…」という程度で大丈夫とのことでした。
過発酵すると、あとでペシャっとなるので、ほどほどが良いのだそうです。
実演はここまでで終了なのですが、キャロットの店長の奥様が前日に作って下さったというものを試食させて頂きました。きめが細かくて、甘みがあって、とても美味しかったです。
今まで食べた米粉パンは、少しザラザラとした粉っぽさがあったり、小麦にあるような風味がないため、あまり美味しいとは思えませんでしたが、こちらのパンは本当に美味しかったです。
家でもチャレンジ
講座終了後、さっそくキャロットで、講座で使用したものと同じ「土佐れいほくの ふっくら米粉」と太白胡麻油を購入しました。

他の材料は、てんさい糖、塩、白神こだま酵母を使い、家でも作ってみたところ、とても満足の行くものが出来ました。
もちもちとした食感で、甘みがあって、何も付けずにそのままでパクパクと、次々と食べ進めてしまうほど美味しいです。
諦めていた米粉100%のパンが、自宅でも作れるなんて本当に感激です。
ただ、我が家には電子レンジがないため、オーブントースターを使用するのですが、そこにレシピ通りにアルミホイルをかぶせたパウンド型を入れると、上部分がギリギリになって少し焦げてしまいました。
余談ですが、このトースターには発酵機能も付いているので、私はその機能を使って発酵させました。
そこで、安全面を優先にして、パウンド型よりもパンのふくらみ具合は良くないのですが、『トースターパン』を使用することにしました。

さらに余談ですが、トースターパンは本当に便利で、炊飯もできて、おかずも簡単に作れるので、電子レンジ調理ができない我が家ではとても重宝しています。
こちらのトースターパンを使用して、アレンジパンも作りました。
抹茶を入れてみたり、ココアとクルミを入れたりもしました。
さらには、テレビで米ぬかを使ったパン屋さんが紹介されているのを見て、試しに炒った米ぬかを入れてみたところ、甘みが増してとても美味しかったです。

きめは粗くなってしまいましたが、この味にはハマりそうです。
精米機の米ぬかがいつも余るので、これは良い使いみちを知ったなと思いました。
ただし、米ぬかは農薬が溜まりやすく、さらには酸化しやすいので、無農薬で、新鮮な状態のものを必ず炒って使う事が望ましいそうです。
米粉のお菓子も
この度の講座では、米粉を使ったレシピ本も販売していまして、そちらも購入しました。

こちらのレシピ本は、谷町空庭さんのHP内の『米粉LOVES』という箇所から買えるようですが、大阪のいくつかの書店や雑貨店でも販売されているようです。
《参考谷町空庭HP》
レシピ本にはたくさんの種類が載っていまして、その中から何点か作ってみました。


米粉のお手軽フライパンパン

米粉のはちみつ生姜蒸しパン

生八つ橋
私は、土佐れいほくの『棚田の米粉』という商品をよく使用するのですが、クッキーやタルトのようなふくらます必要がないお菓子には、荒い粒子の米粉でもOKなのだそうです。
《参考『棚田の米粉』道の駅「土佐さめうら」HP》
米粉は、小麦粉のように粉をふるう必要がなかったり、混ぜ過ぎてもグルテンが発生することもないので使いやすいです。
近年では、ずっと小麦を食べて生活をしていた国々でも小麦アレルギーになる人も多く、米粉を使う国も増えているそうです。
日本でも米粉の需要が高まっていて、消費者が米粉を使えば、それが農家に伝わり、もっと開発が進むのだと、谷町空庭の方がおっしゃっていました。
このことを聞いて、数年前に失敗して諦めていた米粉100%のパンが、こうして簡単に作れるようになったのは、米粉の開発が進んだからなのだなと理解しました。