私は、家で甘酒(厳密には「甘麹-あまこうじ」)を作っているのですが、その時にタニカ電器のヨーグルトメーカー『ヨーグルティア』を使っています。豆乳ヨーグルトを作るのにも重宝しています。
タニカさんは、1971年に日本で初めてヨーグルトメーカーを製造したとのことで、45年以上の歴史がある企業です。
《タニカさんのオンラインショップ「すばる屋」は楽天にあります》
余談ですが、私は、植物性の種菌から豆乳ヨーグルトを作りたくて色々試したのですが、今は、「麻炭(あさすみ)」を種菌にして作るヨーグルトが簡単で気に入っています。
豆乳ヨーグルトのことは、別の記事に書いています。 京都にある『こうそカフェ85』では、麻炭(あさすみ)について教えて下さる「麻炭のおはなし会」というセミナーがあります。イベントの申し込みは、こうそカフェのホームページからできます。 こうそカフェ85の ... 豆乳ヨーグルトを自分で作りたい!種菌も植物性のもので作りたい!と思い、何度か挑戦してみたものの、本当にこれで大丈夫なのかな…と、自家製のヨーグルトに自信が持てません。そんな時にちょうど目にしたのが、豆 ...
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タニカ電器の公式ブログである『タニカブログ』には、たくさんのレシピが掲載されているのですが、その中で、『さつまいも甘酒』というものを見つけました。
さつまいもで甘酒が作れるとはとても驚きましたが、「お米の代わりにさつまいも」ということで、炭水化物であればできるのかなと思いました。
正しくは、「デンプン」があれば甘酒が作れるのだそうです。
甘酒の仕組みとしては、麹(こうじ)の酵素であるアミラーゼが、でんぷん質を分解してブドウ糖を作ります。このブドウ糖が、甘酒の甘みなのですが、お米にはでんぷん質がたくさん含まれているので、一般的にお米(ご飯)で甘酒を作るようです。
こちらの、「発酵デザイナー」という方の説明がとても分かりやすかったです。
《参考「発酵デザイナー」小倉ヒラクさんのHP》
さつまいもでも甘酒が作れる理由がこれで分かりました。
タニカブログには、うどんやコーンで作った甘酒も載っていて、見るのがとても楽しいです。他にも、『発酵食品試作報告書』というページには、たくさんのヨーグルト作りの実験結果が載っていて、とても興味深くて勉強になります。
参考タニカ電器オフィシャルブログ「タニカブログ」
さっそく「さつまいも甘酒」を作ってみる
タニカブログにあるレシピを参考にしましたが、我が家にある麹とさつまいもの都合で、分量はオリジナルです。おそらく、ざっくりとした分量でもうまくできるのではないかなと思っています。
私は、生麹(なまこうじ)を使っています。楽天などにもたくさん種類がありますね。どうぞご参考までに。
材料
- さつまいも:正味300gぐらい
- 麹:200g
- ぬるま湯(50℃ぐらい):600ml
作り方
- さつまいもは蒸かして、つぶします。
- 熱湯などで消毒した容器に、麹とぬるま湯を入れてよく混ぜます。*麹のかたまりがないように、事前にパラパラにほぐしておいた方が良いです。
- さつまいもを容器に加えて、よく混ぜます。
- ヨーグルティアを「温度60℃・タイマー6時間」に設定します。甘みが出れば出来上がりです。私はタイマーをさらに4時間ほど延長しました。
スイーツ感覚の甘麹
ちゃんと出来上がっているのかドキドキしつつ、まずは、お湯で少し薄めて甘酒としていただきました。

さつまいもの甘さのあとに、麹の甘さが広がり、双方が混ざり合った風味というよりは、それぞれの味が別々に感じます。
最初は少し違和感がありましたが、すりおろしたショウガを入れると味がなじんでとても美味しかったです。
さつまいもの甘みがとても強いため、私が普段作っている甘麹よりも甘く出来上がりました。さつまいもの種類によっても甘さが変わるかもしれません。
私はいつも、甘酒として飲んでおらず、甘麹をヨーグルトに入れて摂取しているのですが、同じように「さつまいも甘酒」をヨーグルトに入れると、スイーツと言ってもいいほどになりました。
十分に主役になれるほど、さつまいもが主張しています。ヨーグルトの味がすっかり負けていました。
これはジャム感覚だなと思い、ホットケーキのトッピングとして食べてみましたが、意外と美味しかったです。

甘酒にしても、ホットケーキにしても、だんだんと癖になる味で、やさしい甘さがとても美味しいです。
私は、タニタブログにあったレシピの分量より水分を100ml多くして作りましたが、それでも出来上がりはもったりとしていました。ミキサーなどでペースト状にするともっと食べやすくなると思います。
調べてみると、さつまいも甘酒は製品化もされているのですね。食パンに塗っている写真もあるので、私がホットケーキにトッピングしたのも間違いではなかったようです。
さつまいもには、食物繊維をはじめ、ビタミンCやE、カリウムが特に多く含まれていますが、皮の部分には、実の部分の5倍のカルシウムが含まれているそうです。
そして、あの色からも分かる通りアントシアニンと、ヤラピンという成分があります。
ヤラピンというのは、さつまいもを輪切りにした時に滲み出てくる白い液状のもので、腸の動きを促し便を柔らかくする作用があるのだそうです。
ずっと「この白いのなんだろう。食べれるのかな」と思って調理していましたが、とても重要な成分だったと初めて知りました。
写真のものは、皮を取って作ったものですが、皮つきで作ってみても美味しかったです。
甘麹作りにお米は必要か
甘酒は「飲む点滴」や「飲む美容液」とも言われるほど、必須アミノ酸やビタミンB類が多く含まれていて、美容と健康に良いとされています。
私はこれを知って、ぜひ毎日摂取したいと思うようになり、自分で甘麹を作るようになりました。
調べてみると、甘麹にもたくさんの作り方があって当初はとても迷いました。初めのうちはご飯をお粥にして作っていましたが、だんだん面倒になり、冷めたご飯をそのまま使ったりもしました。
だいたい2週間に1度のペースで作っているのですが、最近ではご飯も入れずに、水と麹だけの甘麹を作るようになりました。
そこで、甘麹作りにお米は必要なのかと疑問に思いました。
タニカブログさんにも、水と麹だけで作るレシピがあって、それによるとこのような甘酒は「生甘酒」というそうです。
他にも、生甘酒を推奨しているお醤油さんがあったり、先ほど少し触れた発酵デザイナーの方も、普段は生甘酒を作っているようです。
お米を入れて作ると甘さが増して、すっきりとした甘さを求める場合は、お米の量を少なくしたり、もしくはお米を使わない生甘酒が適していると言えるようです。
加えて、すっきりとした甘さがお好みの方には、お味噌屋さんの麹を選ぶと良いそうです。
発酵デザイナーの方によると、『味噌屋の麹は甘味がほどほどなので、バランスの良い味になります』。また、『甘酒用に市販されている麹は、甘味を強く引き出しているものが多く、ともすれば甘味が強くなりすぎます』とありました。
それから、私は、出来上がった甘麹に火入れ(加熱)が必要かどうかという疑問も抱いていたのですが、タニカの『発酵食品試作報告書』を見てみると、火入れしたほうが甘さが増すようです。
火入れは発酵をそこで止めるために行いますが、火入れをしないで冷蔵庫に入れて保存すると、だんだん酸っぱくなってきます。これは乳酸菌の働きによるようです。
ちなみに、火入れすると、せっかくの酵素の栄養素がなくなってしまうのではないかと思っていたのですが、確かに生きた菌はいなくなってしまいますが、それまでに作られた栄養素はちゃんと残っているのだそうです。
私は、少しでもラクに甘麹を作りたくて水と麹だけで作っていましたが、この方法はむしろ良かったのだと分かり安心しました。
また、「さつまいも甘酒」は、少量でボリュームがあってスイーツ感覚でも食べられるので、さつまいもが旬の季節には積極的に作りたいなと思いました。栄養価が高いのも嬉しいですし、癖になる美味しさでした。
甘酒はカロリーもそれなりに高いので、1日にコップ1杯(200cc)の目安が良いそうです。私は甘麹で食べるので、大さじ2~3杯を目安にしています。