産経新聞社主催の、「体感音楽養生 2017 ヒーリングフォーラム」というコンサートに行きました。
テーマは、『聴いてみよう!周波数528ヘルツの安らぎの音楽』というものです。新聞やサンケイリビングに掲載されていた広告を見て申し込みました。
このコンサートは、2015年に「第57回輝く日本レコード大賞企画賞」を受賞した作曲家のACOON HIBINO(エイコン・ヒビノ)さんの曲で構成されています。
《受賞されたCDはこちらの2種類です》
私は528hzにはとても興味があるのですが、コンサートが開催されているとは知りませんでした。
寝落ち、涙…リラックス感がすごい
会場は、大阪市北区の「ホテル エルセラーン大阪」の5階にあるエルセラーンホールです。ホテルの中にあるホールには初めて行きましたが、とてもキレイなホールでした。
収容人数は416名とのことで、この日の座席は全てが自由席だったのですが、ほとんどの席が埋まっていました。客層は、お若い方はあまり見かけず、男女比は半々ぐらいでした。
最初に、フリーアナウンサーの野村啓二さんが、エイコン・ヒビノさんや528hzのことを簡単に説明して下さって、コンサートが始まります。
私は、528hzの「単なる音」(仏具のチーンと鳴らす「鈴(りん)」のような音)が20分ほどずっと流れるCDは持っているのですが、音楽になっているものは初めて聞きました。
エイコン・ヒビノさんがステージに登場し、『Echo(エコー)』という曲から演奏が始まったのですが、最初の音を聞いた時点で身体が一気にリラックス感に包まれました。
エイコン・ヒビノさんがおっしゃっていた言葉をお借りすると、まさに「身体が勝手に持って行かれる」という感じでした。この感覚はすごいなと思いました。
コンサートでは、エイコン・ヒビノさんのオリジナル曲の他に、有名な曲を528hzでカバーしたものもありました。『G線上のアリア』や『イマジン』などの名曲が次々と演奏されます。
1曲1曲をじっくりと鑑賞したいという気持ちはあるのに、リラックス感に包まれていますので、私は眠気に耐えられず何度も寝落ちを繰り返しました。コンサートは2部構成なのですが、もったいないことに1部はほとんど寝落ちです。
私たちの隣の席にいらした方も、開始早々寝落ちしたようで、「なんて心地良い…。私、こんなこと初めてよ!」とお連れの方と話している声が聞こえてきて、どうやら寝落ちしたことにご自身でも驚いている様子でした。
エイコン・ヒビノさんはピアノを演奏されるのですが、コンサートにはバイオリン、シンセサイザー、尺八などの演奏者や、オペラ歌手の方が次々と登場して、豊かな音の世界が作り出されます。
全ての音が心地良いのですが、特に尺八の音がものすごく良くて、ついさっきまで寝落ちしてた私が、今度は音に感動して涙が出るという状態になりました。曲というよりも音に感動して泣けるという経験はあまりなく、心に真っすぐと響いてくる音でした。
私は最後列の座席だったので、他の方の様子はあまり分からなかったのですが、後日見た記事によると、コンサートでは涙を流す参加者が相次いだそうです。
528hzの音を出す楽器
528hzというのは、周波数の一つです。
音響の世界では、音の高さは周波数で表され、「1秒間に繰り返す波の数」が周波数となります。528hzは、1秒間に528回波打って振動している音ということになるそうです。
また、周波の中には特定の周波数を発するものがあって、物質と意識に働きかけると言われているものを『ソルフェジオ周波数』と呼ぶそうです。
ソルフェジオ周波数というのは、528hzの他にもいくつか存在していて、例えば174hzなどの小さな数字の周波数は低い音でお腹に響き、963hzなどの大きな数字の周波数は高い音なので頭に響くということになります。
その中でも528hzは、副交感神経に作用すると言われていて、聴くとリラックスできるというのです。『愛の周波数』とも言われていますね。
現代では、528hzの音は、平均律を使用する楽器では出すことができません。
ピアノは、440hzである「A(ラ)」をもとに音程を作りますが、これは現代の世界基準で、この調律では永遠に528hzが現れないそうです。
では、どうするのかというと、ピアノ線をちょっと引っ張り上げて、「C(ド)」の音を528hzに調律しなおすのだとエイコン・ヒビノさんがおっしゃっていました。これは、ジョン・レノンが手掛けていたものだそうです。
今回のコンサートで使われていた楽器では、バイオリンは弦を変え、尺八は削らないと528hzの音が出ないと教えて下さいました。
尺八を演奏されていたのは、山口整萌(やまぐちせいも)さんという方で、70年前の竹を使って作られた尺八を、528hzの音を出せるようにと削って改造したのだそうです。車一台が買えるほどの費用だったとか。
このことは、尺八の音に感動の涙を流したあとに聞いた話でしたが、驚きと共に、音が良い理由に納得しました。
尺八とコラボしたCDも発売になっていまして、こちらも購入しましたが、本当にとても良い音色です。
謎めいたところも魅力的
528hzは、グレゴリオ聖歌で使われていた失われた古代の音階だと言われていたり、「病気を治す奇跡の周波数」と言われるためその存在を隠されたとか、なかなかミステリアスな話も聞いたことがあってとても興味深いです。
コンサートでは、エイコン・ヒビノさんと野村啓司さんのトークタイムが設けられていたのですが、その中のお話もとても興味深く聞きました。
色々な実験をされているそうで、ワインボトルに直接528hzを当てると、安いワインがお高い味に感じたり、医師の方によると、犬や猫に聴かせたところ、猫もよく寝たが、犬は40匹が全部寝たのだそうです。モーツァルトの音楽にも同じようなことが言われますね。
これらの実験から、ワインは水分で、人間もまた70%が水分で出来ているから、人間にも応用できるのではないか、また、ご自身が聴いて音の中に埋もれるような体験をしたため、皆にも聴いてもらいたいと思ったそうです。
すると、聴くと涙を流す人が多くみられ、今まで思い出さなかったことが思い出されるという意見があったり、眠たくなるという人がいたり、逆に集中力が増すという方もいたそうです。
そこで、では演奏者は眠たくならないのかという疑問が生まれますが、弾いている時には眠たくならないとお答えになっていました。
しかし、528hzで作られたオルゴールという製品があるのですが、そのエンジニアの方は作業中に寝落ちしたそうです。もともとオルゴールの音はアルファ波が出るそうなのですが、528hzのオルゴールの音は相乗効果となるようです。
舞台上から見ると、コンサートにいらしたお客さんも変化があるそうで、最初は客席も色々な個性の方が見られるけれども、終わるころには、まるでトウモロコシの粒がきっちりと並んでいるように、客席の皆が整っているように見えるとおっしゃっていました。
現代の音楽についても触れられていて、交感神経を高める音楽が多く、これは元気が出たり、やる気が出たりするそうで、現代人はこの音を浴び続けているのだそうです。交感神経が高い状態が続くと、ストレスを感じると言いますね。
528hzは、副交感神経に作用すると言われるためリラックスを感じます。
交感神経と副交感神経はそのバランスが重要で、現代の交換神経を高める音楽に慣れている脳には、副交感神経に作用する音が新鮮に感じられ、脳の活性化に繋がるとも言われます。
528hzは東日本大震災後に癒しの音楽として注目されましたが、エイコン・ヒビノさんによると、KinKi Kidsの堂本光一さんがテレビ番組で言ったことにより、大変な人気になったそうです。その放送された内容を詳しくお話して下さったのですが、実は私も、その番組を見て528hzのことを知りました。
私の場合は、自分で聴くというよりも、当時体調が優れなかった身内に聴かせてあげたいという思いだったので、すぐに528hzのことを調べて、先にも述べましたが、仏壇の鈴(りん)のような音が20分ほどずっと流れるCDを買い求めました。
528hzは、医学関係者の中にも研究をしておられる方がいたり、JALやANAの機内放送で使用されていたり、リラクゼーション施設や温泉施設で使われたり、社会の中でも触れる機会が増えているようです。
私は、今回のコンサート会場でCDを買いまして、夜と、朝起きてからも部屋に音楽を流しています。きっかけは家族のためでしたが、今では私がすっかり気に入っています。
なお、YouTubeなどでは、偽物の528hzの音楽も多いと聞きますので、どうぞ本物の音に触れてみて下さいね。
参考528hzの詳細やエイコン・ヒビノさんの音楽が聴けるHP「Dr.528」